日本で林業の生産性が低い理由を知りたい方
こんにちは!
8my(@8my__)です
日本の林業の生産性は、欧州の20分の1とも言われます
なぜここまで非効率なのでしょうか?
今回の記事では、根本的な理由を2つ紹介します
結論から言うと、
- 森林が急傾斜地にある
- 高温多湿で雨が多い気候
(造林・育林に手間がかかる)
だからです
それぞれ深堀りしていきましょう!
森林が急傾斜地にある
日本の間伐
日本の森林は大部分が急傾斜地にあるので、木を伐り出すのに手間がかかります
▼ 一般的な木を伐り出す手順
多くの工程、重機が必要になってきます
しかも、作業道は狭く、壊れやすいので大型の重機は入りません
チマチマと搬出するしかないです
海外の間伐
一方、海外では平地に多くの森林があります
このため、作業道をつける必要がありません
大型の重機がそのまま森に入り、一気に作業をしてしまいます
海外の作業効率は圧倒的です
クローラーじゃなくて、タイヤだから機動力もありそうだね
高温多湿で雨が多い気候(造林・育林に手間がかかる)
日本の造林・育林
日本の気候は、高温多湿で雨が多いです
日当たりが良いと、背の高い雑草や灌木が生えてきます
このため、日本の造林・育林では、
- 地拵え
⇒植え付けができるように、邪魔な木を伐採し土地を整理する - 植付
⇒苗木を植える - 下刈り
⇒苗木の成長を妨げる、雑草を刈り払う
などの施業をします
(他にも、つる切り、雪おこし、除伐などの施業もあります。今回は省略)
植付は、苗木を現場まで運んで、1つ1つ穴を掘って植え付けていきます
植付後の下刈りは、年に2回ぐらい実施
苗木が雑草や灌木に負けないよう、5年間ぐらいは毎年やります
これらが非常に手間です
もちろん、お金もかかります↓
しかし、良い素材を生産するのであれば、日本ではこれらの施業は必須
やらないと雑草・灌木だらけになり、苗木が育ちませんからね
海外の造林・育林
一方、海外はどうでしょうか?
例えば、林業が盛んな欧州
欧州の気候は年間を通して降水量が少なく、空気が乾燥しているため雑草、灌木があまり生えません
▼ ドイツの森林(背の高い雑草、灌木が少ない)
雑草や灌木に生育を邪魔されないので、木は放っておいても勝手に生えて育ちます
UNECE/FAO (2011)によると、なんと約7割が天然更新です
日本のように造林・育林に膨大な手間をかける必要がないわけですね
さいごに
日本で林業の生産性が低い理由としては、他にも
- 小規模な森林所有者が多い
- しっかりした森林の土地台帳がなく、所有者や境界がわからないことがある
なども挙げられます
しかし、
- 森林が急傾斜地にある
- 高温多湿で雨が多い気候
(造林・育林に手間がかかる)
という2つが、根本にある問題だと思います
そして、地形や気候の問題なので解決も難しい
なので、今後も『林業の生産性が低い』状態は続きそうですね…
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました!
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