豊富にありすぎるから幸福度が下がる

節約

今の世の中は非常に便利になり、必要なものがすぐに何でもでも手に入ります。
百貨店に行けば生活に必要なものは揃っていますし、水道の蛇口をひねれば当たり前のように水が出ます。
見たいもの、知りたいこともネットですぐに検索することができますし、自分たちの日常の安全が紛争などで脅かされることもありません。

非常に過ごしやすい世の中になったものです。
上で挙げたようなものが無くなることはちょっと考えられませんよね。

これだけ豊かな生活をしているわけだから、「自分たちは幸福なはずだ」と思いますよね?
しかし、そうでもないようです。

いろいろなものが、豊富に当たり前にあるために逆に幸福感が下がっている可能性があるのです。
この記事では、『幸せをお金で買う5つの授業(著:エリザベス・ダン, マイケル・ノートン)』を参考にその原因と幸福感を上げるための解決策を考えてみます。

豊富にあると幸福感が下がる原因

ものが豊富にある方が幸福感が上がりそうなものですが、そうではないことを示した心理学の研究があります。

学生たちにチョコレートを食べてもらいました。
まずは1個。
そして、2個目。
全体的に見て、学生たちは2個目のチョコレートを1個目のものよりおいしそうに食べているようには見えませんでした。

このことからも、人間は一般に、何かに繰り返し遭遇すればするほど、そのインパクトは弱くなっていくといえる。

繰り返し遭遇すること…そうつまり、『慣れてしまうこと』が物事に対するインパクトを下げ、幸福感や満足感を下げてしまっているのです。

特にお金持ちほど注意が必要

またこのことは、お金持ちほど注意が必要です。
お金持ちだと、なんでも買えますからね。
買えて当たり前、あって当たり前。という感覚が強くなってしまいます。

しかもお金持ちが買うものは、質の高い、そしてリッチなもの・サービスであることが多いでしょう。
これがデフォルトになってしまうと感覚が麻痺してしまい、より良いものでないと幸福感を感じることができなくなってしまうのです。

ベルギーで行われた働く成人を対象にした研究では以下のような結果が出ています。

裕福な人ほど、人生の小さな喜びを味わえなくなる傾向がある。
山道を歩いている途中で美しい滝を見つけたら立ち止まってその美しさに見とれるとか、ロマンチックな週末の保養地でこのまま時間が止まってほしいと願う、といったことが少なくなる。

意外ですよね。
お金を持っている方が、なんでも買えて幸福感が上がりそうなものですが…
実際は逆なんです。

以下のような研究もあります。

カナダの学生にお金の写真を見せてからチョコレートを1個食べてもらい、その様子を研究者が観察しました。
すると、お金の写真を見ていない学生に比べて、写真を見た学生はかなり素早くチョコレートを食べ、むしゃむしゃと噛んで飲み込んでしまいました。
さらに、お金の写真を見た学生たちのほうが、食べている時の表情が楽しそうに見えませんでした。

※ たくさんの札束を撮影した写真を見せるだけで、人はお金持ちのように振舞う傾向があると、ミネソタ大学の研究にあります。

お金がたくさんあること、「自分が欲しいものは、いつでも何でも買える」と思ってしまう事が、小さな幸せ(この場合はチョコレートを味わうということ)に気づかない原因になっているのでしょう。

解決策1:感謝すること

 

目新しいことは人の関心をとらえるので、人はわくわくして感謝をします。

例えば、今は当たり前にあるスマートフォン。
ガラケーから初めてスマホに代えた時はわくわくしませんでしたか?
スワイプしてページを進められる、動画がスラスラとみられる、3Dのアプリが使えるなどなど。
そして、スマホに感謝をし大切に扱います。

でも、時が経つにつれてそれがだんだんと当たり前のことになり…
今ではスマホを布団の上にポーンと放り投げてはいませんか?

いつまでも、いろんなことに感謝の気持ちを持つことには、日常の小さな幸せを発見して幸福感を高めることにつながりそうです。
具体的な方法としては、小さな感謝をみつける訓練として『感謝ノート』をつけたりするのもいいかもしれませんね。
関連記事→ 感謝ノートを始めてみた。効果はあるのか?

解決策2:我慢すること

当たり前にあることに慣れてしまっていることが、幸福感を低下させる原因であるのであれば、わざと『無い状態をつくる』ことも有効です。

例えば次のような研究があります。

まず、学生たちにチョコレートを食べてもらいました。
そして、一部の学生たちには1週間チョコレートを食べない約束をしてもらいました。
残りの学生たちには、チョコレートがたくさん入った袋を渡し、気持ち悪くならない程度にできるだけチョコレートを食べ続けてもらいました。

1週間後、またチョコレートを食べてもらった時、おいしく食べられたのは1週間チョコレートを食べなかった学生たちだけでした。

チョコを食べ続けた学生は、チョコを食べることに慣れてしまい感動が少なかったのでしょう。
このように、しばらく我慢すればまた食べる楽しみを取り戻すことができるのです。

このような『無い状態』をわざと作り、幸福度や満足感を高める効果はテレビ業界でも利用されています。
それは…CMです。
「それでは、一旦CMです」と、いい所でCMに入るとモヤモヤした気持ちになりますよね。
実はあれが良いんです。
エピソードの間にわざと休みを入れると楽しさが増えるという研究結果がカリフォルニア大学とニューヨーク大学の共同研究で明らかになっているんです。

無い状態をワザと作って慣れを低下させることができれば、新鮮な気持ちで物事に臨むことができ、幸福感が高まりますし、お金の節約にもなるので一石二鳥ですね。

解決策3:永久に続かないことを知ること

「期間限定商品!」「いまだけ!」という言葉に飛びついてしまう人は多いと思います。
実はこれ、企業の戦略でワザと『無い状態』を作って消費者に購買意欲をわかせているんです。

人は、それが『いつでも買えるもの』だと「また別の機会に買えばいっか~」と思い買わなことがあります。
または買ったとしてもじっくり味わうことが少ないです。
『今だけのもの』だと気が付くと、よりそのものを丁寧に味わい大切にし、感謝します。

大学生活が終わりに近づくと、大学4年生は友達との時間を大切に過ごしたり、いつもは歩きスマホをしながら通学していたのにじっくり周りの景色を見ながら通学したりと、大学での思い出を残そうとします。
これも、キャンパスライフがもう少しで終わってしまうということを意識したため、そこでの時を大切に過ごそうという思いからこのような行動にでるのです。

死を意識して生活している人に、人生をもの凄く楽しんで生きている人が多いのもこれと同じでしょう。

まとめ

現代は、物やサービスがありすぎるため、また人がその状態に慣れてしまっているために、幸福度がかえって下がっていると言えます。

普段あるものに感謝する、わざと消費しないよう我慢する、永久ではないことを意識することによって、普段の生活や消費物に対する満足感、幸福感をあげることができます。
同じようにお金をかけるにしても、できるだけ大きな幸福感と満足感を得られるように努力したいですね。

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